この記事の著者・監修者
理事長:田熊 啓弘
福岡、佐賀で勤務医経験後、沖縄にて(医)秋桜会さくら歯科クリニック・インプラントセンターを開業。2012年6月うるま市にて、ファーストデンタルクリニック、摂食・嚥下口腔リハビリセンターを開設
略歴
- 長崎大学歯学部卒業
- 日本顎咬合学会認定医
- 国際インプラント学会(ICOI)専門医
- 国際インプラント学会(ICOI)指導医
- 日本口腔インプラント学会専修医
- 子どもの歯並び予防矯正認定医
- 健康のための永久歯列矯正認定医
- 日本口腔インプラント学会所属
occlusal development treatment
矯正開始時期とも関連しますが、これらをすべてにおいて、ほぼ理想的に実現させようとすれば、やはり、幼少のころから咬合を管理していかなければなりません。また、この頃から積極的な介入をすることによって、矯正治療そのものの難易度を下げることもできます。健康な身体作りという上での矯正、すなわち、お口の中を大きくして、機能的な状態(運動や骨格)を作り上げるという上での矯正であれば、この時期からきちんとした計画の下で治療を始めていかなければなりません。
例えば、下顎前突(下の歯が上の歯よりも前に出ている状態)の場合、4歳~6歳までの期間のみ、しかも家にいるときだけ、ヘッドギアと呼ばれる下顎につける装置をつけることで、これを容易に改善させることができます。しかも、これだけで、将来にわたり一度も歯に矯正装置をつけることなく、正常な状態で終わることもあります。
咬合育成治療は乳歯と永久歯が混在する時期から開始します。まず初めに、口腔内の状態を詳しく診断します。この段階では顎の骨格の成長や歯の並び、悪習慣の有無などを確認します。その後、矯正装置の装着を行い、定期的に調整をしていきます。特に子供の場合、顎の成長と共に装置の調整が必要になるため、規則正しい診察が重要となります。また、家庭でのケアも大切で、正しいブラッシングや装置の取り扱い方法などを指導します。
矯正治療の方法の一つに、歯を抜かない矯正があるのですが、抜かないで歯を並べる方法の一つに、歯を少しずつ削って並べるというテクニックがあるのです。歯を削ることはできれば避けたいところですが、それでも歯を抜いての矯正より、ずいぶん良い方法です。勿論、これで虫歯になることはありません。しかし、できれば、歯を削ることなく、しかも歯を抜かないで矯正できれば、それが最も良い方法であることは言うまでもありません。
乳歯と永久歯が混在している時期から、計画的に治療を始めることによって、かなりの高い確率でそれが可能になってきます。お口の中と歯列を大きくすることによって、歯を抜かないでそして削らないで歯を並べていくのが実現するのです。さらに、最近では、今までの矯正の概念をくつがえすような素晴らしいテクニック(バイオブロック矯正)も出てきています。
バイオブロック矯正は骨格からのアプローチに重きを置いた矯正法で、子供の顎の成長を利用しながら行う特徴があります。この方法は顎の骨格の成長を最大限に利用し、口腔内を大きくすることで自然な咬合を形成します。また、バイオブロック矯正は、悪習慣の改善や舌や口唇、表情筋の訓練も含めて治療を進めるため、矯正治療だけでなく全体的な口腔機能の向上にも寄与します。
正常な成長発育にも大きな影響を与える悪習慣の改善や、舌や口唇、そして表情筋の訓練をこの時期から始めることで、治療を容易にするだけでなく、前述の要点をすべてクリアした理想的な仕上がりを実現させることができるのです。また、成長発育の段階であるために、顎の位置も理想のところへ持っていきやすいという利点もあります。
子供の間違った口腔内の習慣、例えば親指しゃぶりや舌の悪習慣などは、顎の成長や歯の並びに悪影響を及ぼします。これらの習慣を改善することは、矯正治療の成功に大きく寄与します。早期の段階からこれらの習慣を見つけ出し、適切な指導と矯正を行うことで、理想的な咬合と健康な口腔環境を保つことが可能になります。
早期に咬合育成治療を始めることには多くの利点があります。一つは、未然に問題を防ぐことができる点です。子供の顎の成長は早く、早期に介入することで、より自然な咬合を形成することが可能です。また、矯正治療そのものの難易度を下げることもできます。さらに、早期治療は顎の位置も理想のところへ持っていきやすく、成長発育にも良い影響を与えます。
福岡、佐賀で勤務医経験後、沖縄にて(医)秋桜会さくら歯科クリニック・インプラントセンターを開業。2012年6月うるま市にて、ファーストデンタルクリニック、摂食・嚥下口腔リハビリセンターを開設
Copyright © 2023 ファーストデンタルクリニックうるま
All Rights Reserved.